Sridevi中心主義:ゼロから始めるインド映画探求日記

Srideviという一女優のキャリアを追いかけることから始まる、インド映画探求の旅。その過程を記録してみる試みです。

2008年4月11日金曜日

その3:野火杏子

ネットでSrideviに関して一通り検索してみた後、少し日本語文献を探してみることにしました。最初なのであまり高価ではないものから、ということで、Amazonにて入手したのが次の2冊。

インド映画にゾッコン






















マサラムービー物語—インド娯楽映画超入門読本














注文した時には著者が同じ人だなあという認識しかありませんでした。もちろん、野火杏子さんというのがどういう人かは全く知らず。


さて、何しろSridevi以外のインド俳優さんのことはほぼ何も知らない私です。いや、違う。「ムトゥ」に出ていたラジニカーントとミーナのことは知っていました!でもそれだけです(笑)。

「インド映画にゾッコン」を手にして最初にしたのは、このくらいSrideviのことが書いてあるかをチェックすること。女優編に1ページ載っていました。でもモノクロページなのが残念・・・。「ムトゥ」後だから仕方ないとしても、最初がミーナって・・・それでいいのか?!、とか思いました。何となく、Srideviとは格が違うのでは・・・、とか思いました。とはいえ、インド映画界のことはロクに知らないのですから何とも言えません。

あっと思ったのは、レーカー(Rekha)という女優さん。実はこの人のビデオを1本だけ持っているのでした。Srideviのビデオを買いに行ったとき、お店の人から「Srideviの1時代前のトップ女優。踊り上手いですよ」と言われて買った「
REKHA-E-REKHA」という歌場面抜粋ビデオです。Srideviに比べると動きが少なくあまり魅力を感じなかったので、それほどしっかり見ていないのですが・・・。そのRekhaがSrideviの向かいのページに載っていました。

(珠玉崇敬会年報インド映画女優・REKHA 篇というページでは、Rekhaに対する熱い思いが綴られていました。しかもこの方、私と同じREKHA-E-REKHA」を繰り返し見た、と書かれています。う〜ん、私も今見ればまた相当違う感想を抱くかも知れません)

男優の方はラジニ以外は全員知らない人でした。近年のインド映画ファンには信じられないかも知れませんが、シャールク・カーンという人もこの本で初めて見ました(笑)。ですから、本当にインド映画のことなんて全然知らなかったのですよ。ただ単に、たまたま出会ったSrideviが好きだっただけなんです。

どちらの本も、「ムトゥ」大ヒットの後に出版されたものです。そして、これからインド映画はもっともっと紹介されて人気が出てくるだろう、いや、そうあって欲しい!、という願いに貫かれた本です。「インド映画にゾッコン」の方ではインド映画配給に関わる人々との対談集も収録されており、それぞれの方の思いや苦労が伝わってきます。

一方「マサラムービー物語」の方は野火さん個人の文章集。「ムトゥ」前後のインド映画日本公開の様子がまず紹介されています。ここでまもなく公開ということでシャールク・カーンの「DDLJ」やアイシュワリヤの「ジーンズ」が紹介されていたりします。

中盤にSrideviのことがちょっと出てきます。ダンスNo.1は誰?、という章で、迷わず「男はゴウ゛ィンダ。女はシュリデウ゛ィ」とあります(笑)。野火さんはインド映画にはまったきっかけがSridevi主演の「Chandni」だったりもしたそうなので、きっかけだけは私と同じ踊りの場面だった、ということになりますね。きっかけが同じで、かつそれをとても高く評価している、ということから、この人のお勧めだったら見てみてもいいのでは、と思いました。
(もう少し後の話になりますが、実際にGovindaの踊るシーンを見て、私もすぐにファンになるのでした)

インド映画のダンスシーン取材の章の他、テーマ別に作品紹介している章もあります。そのあたりを読んでいると、なんとなくインド映画にもいろいろあるんだな、と思えてきます。

以降、ネットで俳優や作品を検索、上記2冊に立ち戻る、また検索・・・という日々がしばらく続くのでした。それでも、「インド映画にゾッコン」に出てくる俳優さんの顔と名前を一通り把握するには2ヶ月弱かかることになるのでした。




2008年4月10日木曜日

その2:インド関連情報(ネット)

ちらりほらりとSridevi出演作のDVDをオンラインでオーダーし始めてみました。まだショップがどれくらいあるかもよく分かっていないので、あくまでもそれまでに見つけた数軒の間でのみ価格を比較しながらという感じ。260本も出演作があるにしては入手可能な作品は数十本しか見つかりません。これが限界なのか?

そうしたショッピング関連の話題は次回以降に譲ることとして、今回はネット検索の過程で見つけたインド映画およびインド関連の情報ソースについてまとめておくことにします。そもそもがSrideviをキーワードに探しているので、見つかったものもその繋がりでということになります。

日本語ウェブサイトおよびブログ
  • インド映画研究会 やまらん氏のHPの1セクション。ちなみに、このページを見つけたときの私はSrideviとMeena以外の女優さんは知りませんでした・・・・。
  • インド映画通信 現在進行形で更新されているインド映画情報サイト。blogもあり。
    インド映画通信blog
  • ラジニ★jp 情報ぎゅうぎゅう詰め、ラジニカーントのファンサイト。日本におけるインド映画ファンサイトの中でも最強?
  • ヒンディー映画館 小山直樹さんによるインド映画レビュー。Srideviの評価がとても高く嬉しいサイト。小山さんが現地の人に聞いたところによると、Srideviの発音はシリデウ゛ィが最も近いとのこと。
  • お月様とわたし ラジニカーントのファンサイト。
  • たらいばる ラジニカーントのファンサイト。ラジニはタミル時代にSrideviとはかなり共演しているので、ラジニを追っていくとSrideviに出会うことが出来ます。入手困難作品のレビューがあって楽しいです。
  • Indo No Mimi インド映画、映画音楽に関する情報。俳優名鑑、プレイバックシンガー名鑑あり。
  • My Indian Movie Collection ミーナのファンサイトのようですが、それに留まらず多くのインド映画レビューが掲載されています。
  • 梵・漢・和 インド(特に南インド)、中国(特に江南)、そして、日本に関するサイト。タミル、テルグ映画の作品レビューは情報量豊富。また日本における「ムトゥ」ブームを考察した一文も興味深い
    ≪ 『ムットゥ』のヒットは一体、何であったのか ≫
  • ナマステ!ボリウッド!! ボリウッド専門情報誌を発行している。インド料理店などで配布しているらしい。サイトには映画レビュー、俳優・スタッフ名鑑もある。
  • 吉祥の女神に会う なんと、Srideviは96年に来日していた! その時にインタビューした方のページです。
実は日本のファンによるインド映画情報サイトは、「ムトゥ」ブームの終焉とともに消えたり更新停止になっているところが多いようだということが分かって来ました。ちょっと寂しいですね。

インド関係情報いろいろ
  • ヒンディー語の入力方法 いつかはヒンディー語を読んだり、ヒンディー語で検索する必要があるかも知れない・・・と思って情報を探していてみつけました。これでインディアというサイトの一画です。
  • エクスプレスヒンディー語 ヒンディー語の簡易講座。
  • Google Labs India いつか使うことがあるかも・・・とブックマーク。アルファベットを打つとヒンディー、タミル、テルグ、カンナダ、マラヤーラムと、それぞれの文字に変換してくれるというGoogle Indic Transliterationがあります。

インド映画覗き見
  • Rajshri 無料で200本以上のインド映画がオンラインで見られます。有料会員になると他にもダウンロード出来る映画があります。映画の歌場面だけなら無料で1500本も。
私もこれらの情報を得たことで、少しだけインド映画のことが分かって来ました。

まず一つは、Srideviは確かに80年代インド映画界の女王だったけれど、現在ファン活動が盛んかというとそれほどでもないこと。英語圏も含めると、確かにファンがいることは確かなのですが。またショップでもプッシュされている状況にはないと思えます。

それと当たり前ですが、Sridevi以降も新たなスターはそれなりに登場してきていること。確かにインド料理店等で目にするビデオはSridevi全盛期より後のものがほとんどですよね。私はアメリカ黒人音楽系ダンスチューンの影響が顕著なクリップはあまり好きではなかったので、それほど熱心に見ていませんでした。Srideviほど踊りが上手いと思える女優さんも見当たらなかったし・・・。

けれど今回上に紹介したようなファンサイト、また近々まとめたいと思っている参考書籍を経由して、他にも好きになれるような映画、俳優、女優を徐々に見つけていくことになるのでした。

そのお話は、まだしばらく先になりますが・・・。



その1:カタログ

何はともあれ、新たに関心を持った分野があり、それがこれまで馴染みのないものだった時にはどうするか? 私の場合はほとんどの場合はカタログ集めから始まるのであった。

思えば、小学生の頃にラジカセが欲しくて調べていたとき、中学生になってビートルズというバンドを知ったとき、いつでも最初はカタログだった。お金がないからカタログを集めて妄想して楽しむ要素ももちろんだが、生来の臆病さも大いに影響しているのだろう。そもそも何かを集めようかと思ったときに「どこがゴールなのか?」を知っておきたいと思うのは自然な気持ちではなかろうか。

Srideviの映画がちょっと欲しいかな・・・、と思い最初にeBayで検索してみた。思いのほか数がある!
しかしインドの言語なんて全然知らない訳で、タイトルの意味すら分からない。

そういう時はGoogleで検索、ということで調べてみると、ちゃ〜んとオフィシャルサイトがありました。

Sridevi Official Site
http://www.sridevi.org/

もう一つ、すぐに役立ったのがWikipediaでしたね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Sridevi

どちらも英語ですが、上記2箇所でおよその経歴、作品情報は調べることが出来ます。
そうですか・・・。ヒンディ語、タミル語、テルグ語、マラヤーラム語と4つの言語圏で活躍したのですね。

あとはGoogleで検索していれば必ず出会うのがここ。
The Internet Movie Database
http://www.imdb.com/name/nm0004437/

これでSridevi出演作のタイトル(260本も出演している!!!)は分かりました。とはいえ、この後通販で購入しようとした時にはまたいろいろと悩ましい問題にぶつかるのですが・・・。

他にもネットを検索してみるといろいろ分かってくることがありました。
そのあたりは次回で!





2008年4月9日水曜日

その0:開始前夜

あれは1990年代初頭だったか。当時仙台に店を構えていたインド料理屋JAYMAL(現在は山形にてJAYとして営業中)にて、店のTVで流していたインド映画の踊りに衝撃を受けたのは。見たことがないようなスタイル、異質なのに魅力的な、それでいてすぐには理解不可能な、それはそれは不思議なものだったのだ。

何種類かの映像を見せてもらったが、一人の女優が飛び抜けて魅力的だった。未知の分野のものであり、よく、分からないなりに、やはり他の人とはレベルが違うと感じたのだ。それがSrideviだった。

JAYMALの方に教えていただき、当時インド映画のビデオをあつかっていた吉祥寺のお店でビデオを入手した。さすがに大抵3時間はあるという映画 を見通す自信はなかったので、歌と踊り場面の抜粋ベスト版である。当時は随分と熱中し、いろいろな人に見せまくった記憶がある。

その時はそれで終わりで、それから7〜8年して「ムトゥ 踊るマハラジャ」が日本にやってくるのだった・・・。

時は流れ、インターネットでオークションが出来るようになった20世紀末、その時はSrideviという女優名で検索してもほとんど情報はみつからなかった覚えがある。

さらに7〜8年の時が流れ、つい先頃のこと、ふとしたきっかけからSrideviを検索してみた。きっかけというのは、トルコのロックアーティス ト、Baris Manco(バリシュ・マンチョ)のアルバムがCD化されたのを見て、他のアルバムを探してみようと思ったことだった。結果トルコのCDを売っている店も オンラインで見つけることが出来たのだったが、ふとトルコがあるならインドもあるだろ!、と気づいたのだ。そして検索してみると、なんとまあ、ビデオの時 代には敷居が高かったインド映画も、とっくにDVD化が進んでおり、随分な数の映画が手に入ることが分かってきた。DVDはいい。何しろ英語字幕が付いて いるものが多い。台詞が(それなりに)分かるではないか!

Srideviのオフィシャルサイトを発見したのもそういう訳でついこの間のことなのだが、2つのことに驚いた。
一つは、彼女の出演作は優に200本を越えていること!(笑)
もう一つは、80年代のトップ女優と認識していたが、その後も出演を続けていたのみならず、最近育児休業から復帰し、なんと現役と言える状態になりつつあるらしい!

フィルモグラフィーを頼りに、現在入手可能作品を掻き集めてみようとしているところである。

またこの機会にYouTubeを検索してみたところ、そこそこな数の映像が見つかった。中にはVCDまたはDVDになっていないのではと思われる古い作品もある。実はやはり、世界中にこの女神様のファンはいたらしい。

これをきっかけとして、Srideviのことを調べ始めたら、必然的にことはインド映画、映画音楽、インドの言語、DVDやVCD、CDが買える店、そしてオンラインの情報と広がっていくに違いない。このblogではおおよその時系列にて、インド映画と言えばSrideviしか知らなかった筆者がどのようにインド映画の世界を手探りしていくことになるかを記録していく予定だ。相当不定期更新となることが予想されるが、よろしければお付き合いいただければありがたい。